しかし,そんな折り紙に本当に多くの数理現象が潜んでいるのをご存知でしょうか。高等数学で扱う初等幾何に関する事柄はもちろん,平方根,方程式,多面体など折り紙で説明することができる事が数多くあります。また,手を使った作業ということで,これまでの数学にはない新鮮な驚きも生まれるてくるのです。
9_1 折り紙で作る内心・外心
中学校で習う三角形の内心・外心の作図は,初等幾何では最も基本的な学習事項です。コンパスと定規で内心円や外心円の作図を習いますが,内接円などはきちんと描くのが案外面倒です。
しかし折り紙を用いると簡単にできるてしまいます。できた内心を頂点にして辺を合わせると長さがピッタリ合うことで,内心の半径が等しいことを実体験できます。
コンパスと定規ではかなりの手数が必要なものが,折り紙ではほんの数回で済んでしまうところもすごいですね。
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| =3つの角の2等分線の交点= | =3つの辺の垂直2等分線= | ||
9_2 2次方程式の解を作図する
以前に岩手教育大で出題された問題で「方程式 の正の解を作図せよ。」というのがありました。長さが1,a,bが与えられたとして,三角形の相似比を考えて問題を解いていきます。しかしこうした初等幾何の問題は,折り紙が最も得意とする分野です。紙が1枚あれば,簡単に解を折って示すことができます。方程式の解を"解く"のではなく"折る"というところが新鮮で面白いのではないでしょうか。
9_3 一発で切る!
カナダの17歳(当時)の大学生が証明したといわれる「一刀両断」の問題です。「直線でできた多角形は適当な折り方をすると各辺が一直線に並ぶ」というものです。
最初に複雑な図形で生徒に提示すると,生徒は思わず歓声をあげます。複雑な図形を折ることはかなり大変なので,六角形ぐらいの図形で実際に折らせて見ましょう。最後に直線が真っ直ぐに並んではさみを入れることができるととても感動しますよ。
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原理を簡単に説明しましょう。三角形は内心を頂点として下図のようにたたむことができ,3つの辺は一直線上に重なります。このとき内心と頂点を結んで折りたたむと,垂線は自動的に決定します。また開いた図形には三角形を想定して,その傍心を頂点として折りたたむことができ,3つの辺は一直線上に重なります。このとき,交点と各頂点を結んで折りたたむと,延長線の折り目がが自動的に決まるります。

9_4 封筒で作る黄金比
自然界にも数多く存在し,そのバランスの美しさから名のついた「黄金比」。縦と横の比が黄金比になっている長方形を,どこにでもある封筒を用いて作成してみましょう。
身の回りにも黄金比を持つものがいくつもありますが,封筒で作成した長方形が名刺と同じ形をしていることを説明します。 黄金比を数学の話題として初めて提起したのは,ユークリッドとされています。「線分を2つに分かち,小さい方の線分と全体とでできる長方形の面積と,大きい方の線分でできる正方形の面積が等しくなるように分けよ。」というものでしたが,黄金比にも様々な魅力が隠されています。
9_5 即席!テトラパック
「三角パック」でおなじみの四面体の"テトラ・クラシック"は,ある年代の方々には学生時代を思い出していただける懐かしい容器です。ちなみに"テトラパック"というのは商標だったのをご存じですか。
そんなテトラパックを折り紙を用いて作成してみましょう。実際にはのりしろの部分をとらなくてはならないので案外複雑になっています。