複素数のn乗

 ガウス平面上に点zをとります。zを2乗,3乗,4乗,・・・としていくといったいどうなるでしょう。次の図は最初のzがピンクの四角で表し,×(バツ)でz2,z3,・・・,z20まで表しています。

 

 左の図のように螺旋形に並ぶ場合や,右の図のようにどうなっているのかよくわからない場合もあります。更に補助線として半径1の円を描いて調べてみましょう。

 

 上の図から分かる通り,半径1の円の中にzがある場合のznは円の中に,外にある場合はどんどん円の外に遠ざかっていくのが分かりますね。
 更に円周あたりの様子を調べてみましょう。

 

 あるところで虫のようなものが3匹現れましたね。円周上にzを持っていくと3点に収束しました。次のように虫が4匹現れるところもあります。よくみるとそのうちの一匹は円の右横にあるのに注目してください。(ガウス平面でいうと「1+0・i」になります)
 

 更に2匹になったり,1匹,5匹と虫の数が変わります。

 いったいこの虫の正体は何なのでしょうか。その前に複素数のかけ算についておさらいしておきましょう。
 いま、ある複素数 x+yi に a+biという複素数をかけ、u+viという複素数になったとします。この変換は、右の図のように角θだけ回転し、倍に拡大するという変換を表わしています。
 同様にznは同じ角度,同じ倍率でどんどん回転,拡大を繰り返していくことになります。これが螺旋形になる理由ですね。
 ここでzが半径1の円周上にあるとすると,拡大はせず右下図のように等角度の回転だけ行うことになります。
  

 それでは先ほどの虫の正体に行きましょう。虫が3匹現れる場合を考えてみます。最初のzは実部1の点から120°の位置に存在しましたね。実はz2は240°,z3は実部1の点にあたるのです。同様にz4,z5・・・と1周を3等分した点に集まってくるのです。
 先ほどのどの場合も実部1の点に必ず1匹存在しましたね。つまりzn=1となるzが1周360°をn等分した点に存在し,z2,z3,・・・,zn-1個の虫の軍団を作り上げるのです。つまりこの虫の正体はzn=1の解の軍団だったわけです。

《参考資料》