正の領域,負の領域

 不等式の表す領域の問題で,例えば
   (x−y+1)(x2+y2−4)<0  …(*)
を考えてみましょう.
  x−y+1>0,x2+y2−4>0 または x−y+1<0,x2+y2−4<0
と場合わけで考えるのはとても面倒ですよね.
 こういうときは次の様な手もあります.2つの図形(直線と円)で分けられた4つの領域のうちの1つから,適当な点を選びます.できるだけ簡単な点がいいですよ.次の図では原点(0,0)を選びました.この点を(*)の左辺のx,yに代入してみます.
   (0−0+1)(0+0−4)=−4
と負の値になります.原点を含んだ領域の点は,実は全て負の値になるのです.ですからこの領域は(*)を満たすことになります.また,境界線を1つ越えるごとに領域の符号は変わり,求める領域は次の図のようになります.

 

 一般に,f(x,y)をx,yに関する整式とするとき,不等式f(x,y)>0のあらわす領域を正の領域,f(x,y)<0のあらわす領域を負の領域といいます.その領域がプラスの電荷と負の電荷を帯びたプレートのようなもの,と考えればイメージがつくでしょうか.

 では何故,たった一つの点を選んだだけでそのプレートが同じ電荷を持つといえるのでしょう.
 今,一つのプレートに,正の電荷を持つ点Pと負の電荷を持つ点Qがあったとします.このとき領域内で境界と交わらないPとQを結ぶ曲線が存在します.Pは正でQは負ですから,C上のどこかで0にならなくてはなりません.しかし,f(x,y)は境界線上でのみ0となりますから,これは不合理!
 つまり同じ領域にある点は全て同じ電荷を持っていなくてはならないのです.