一発で切る!

 先日家族で,東海大学教授の秋山仁先生の講演を聞かせて頂きました.その中でとても印象に残ったことがあるので紹介しましょう.
 下の写真のような直線でできたスワンがあります.このスワンをはさみできるとしたら,周りの線に沿って何度も方向を変えながら普通は切ります.しかし,この紙をある規則で折り,たった1回だけはさみを真っ直ぐに入れるだけで作ることができるのです.

@線分でできたスワンに規則正しく折り目をつけます A折り目に従って折っていくと何と真っ直ぐな線が1本現れてきました
Bその線をはさみで切り取ると・・・ Cあら不思議!もとのスワンが現れました!!!

 さてこの折り目,一体どうやってつけたのでしょう.それを解明するためにまずは折り紙の基本の折り方について触れておきます.
 コンパスと定規を使ってする作図ですが,折り紙を用いるといとも簡単にやってくれます.最も基本的な折り方は次の様なものです.

@線分の垂直2等分線 A角の2等分線 B1点から直線へ垂線を引く
AとBを合わせる OAとOBを合わせる Pを通りながらAHとBHが重なるように折る

 さてこのうちのAとBの折り方を用いて,先ほどの折り目の秘密に迫ってみましょう.次の折り方は岩見沢西高校の加藤渾一先生にご指南いただいたものです.秋山先生は折り方には触れていなかったので,私は2日間ずっと折り方の秘密を考えていたのですがわかりませんでした.加藤先生に相談したところ,すぐに種明かしを教えていただきました.さすが折り紙の権威! できたときには久しぶりに感動を覚えました.

@線分でできた適当な多角形を用意 A右上の角と右下の角の2等分線A,Bを折り,交点から垂線Cを折ります B2等分線A,Bを山,垂線Cを谷にして折ると山線Dが自然に決まります.ここが重要!
C山線Dと上中の角の2等分線の交点から垂線Fを折ります.Eを谷,Fを山にして折ると山線Gが決まります. D同様に次の角の2等分線Hとの交点から垂線Iを折り,Hを山,Iを谷にして山線Jを決定 E残りの2つの角からの2等分線が山線Jで一致!垂線MとLを山,Kを谷にして折り返してみよう.

 こうして折り目をつけて折ったのが次の写真です.あなたも自分で作った多角形で試してみてください.しかしあのスワンを作るのはかなりの時間と労力を必要とするようです.

《参考資料》