2次方程式の解の確率

 2次方程式 x2 + ax + b = 0 の解は,判別式 D = a2 - 4b の値によって実数解を持つか虚数解を持つかに分かれます。つまり,次の2つの場合です。
   A: b≦1/4 a2 のとき実数解   B: b > 1/4 a2 のとき虚数解
 もし適当に a, b の値を選んだとき,実数解を持つ確率と虚数解を持つ確率はどちらの方が高いでしょうか。
 横軸に a,縦軸に b をとると A,B の境界は,放物線 b = 1/4 a2 になります。その放物線の上側が虚数解の領域,下側が実数解の領域になります。いま図形的に見やすい虚数解の領域を考えて見ましょう。
 a, b の値を適当に選んだときの確率を面積を用いて求めて見ます。原点を中心とした1辺が 2k の正方形の内部(-k≦a≦k,-k≦b≦k)の面積と b > 1/4 a2 の表す領域の面積の比率を考えます。k の値により次の2つの場合が考えられます。

@ 0<k≦4 A k>4

 正方形内部の面積を S1,放物線上部の領域と正方形内部の共通部分の面積を S2とします。(上図では斜線部分) @Aどちらの場合もS1 = 4k2 になりますから,S2を求めて確率を計算します。

@ 0<k≦4 の場合

   
   ∴ 

A k>4 の場合

   k = 1/4 a2 より a = ±2√k となるので,
       
   ∴ 

@Aより理論値を具体的に計算してみましょう。

  k = 1 のとき, P(1) = (12 - 1) / 24 = 0.46
  k = 10 のとき, P(10) = 2 / 3 √10 = 0.21
  k = 100 のとき, P(100) = 2 / 3 √100 = 0.07

 次にこの理論値が本当にその通りになるのか,表計算ソフトを用いて試してみましょう。表計算ソフトのランダム関数を使って,a, b の値を適当に選び解の種類の出る頻度を計算させて見ます。k の値を変えて100回試行して,虚数解,実数解のいずれになるかを判別します。

 次の表はそれぞれ k の値によって100回の試行の平均を取ったものを,更に10回繰り返した結果をまとめたものです。実験値は理論値とほとんど変わらないのがわかります。

 この結果から k の値を大きくすればするほど,虚数解を持たなくなることがわかります。つまり2次方程式の係数を適当に選んだ場合

   「実数解を持つ確率が高くなる」

といえるのです。