1/n にあらわれる循環少数(前編)

 1/n(nは整数)の値は大きく分けて次の2つに分類されます。
    @: 1/4 = 0.25       A:  1/3 = 0.33333 …
 @のように割り切れる少数を有限小数,Aのように割り切れず少数部分が続く少数を無限小数といいます。Aの無限小数も,次のAのように同じ数字が小数第1位から循環するタイプと,小数第1位でない部分から循環するタイプの2つに分けることができます。
    A: 1/7= 0.142857 142857 …   B: 1/28 = 0.03 571428 571428 …
A のタイプの少数を純循環小数,Bのタイプを混循環小数といいます。どちらのタイプにおいても,循環する数字のワンセットを循環節といいます。
 さて,n がどんな数の時に3つのタイプになるのか考えてみましょう。後ろに 1/n(2≦n≦100)の値と循環節の長さの表をのせてあるので,参考にしながら自分でも何か面白い発見をして見ましょう。

☆ nが2と5の素因数以外持たないとき

※ h(n) は固定部の長さ,c(n) は循環節の長さを表しています。

 最初のポイントは n の素因数に 2,5 が含まれるかどうかです。2 も 5 も含まれないとき,表のとおり 1/n の値は有限小数になることがわかります。これは,n = 2k・5lとすると,
   
となって,必ず割り切れることから明らかです。

☆ nが 2 と 5 の素因数を持たないとき

 すべて純循環小数になっているのがわかります。さらに n が 10e - 1 で割り切れるかどうかを表にまとめたので見てみましょう。循環節の長さは n が 10e - 1 を割れる整数 e の最小値と同じ値になっているのです。これは長さ e の循環節を A = a1 a2 … ae とすると,
   1/n = 0. A A A …,   10e・1/n = 0. A A A … ,   ∴ (10e - 1)・1/n = A
 つまり 1/n は 10e - 1 の約数でなければなりません。

 次に n の値と循環節の長さの関係について考えてみましょう。
 まず n の値が素数の場合は,循環節の長さは n - 1 の約数になっているのが分かります。
 では合成数の場合はどうでしょう。実は n = n1×n2 のとき,n の循環節の長さは n1,n2 の循環節の最大公約数になるのです。

 もう少し難しい話をするためには「オイラー数」というのを持ち出してこなくてはななりません。
 整数 n に対して 1, 2, 3 ・・・, n の中で n と互いに素(つまり公約数を持たない)な数の個数をオイラー数といってφ(n) であらわします。たとえば,
   n = 5 のとき,素な数 x は x = 1, 2, 3, 4 より  φ(5) = 4
   n = 8 のとき,素な数 x は x = 1, 3, 5, 7 より  φ(8) = 4
   n = 6 のとき,素な数 x は x = 1, 5    より  φ(6) = 2
 もし n が素数ならば公約数を持たないのでφ(n) = n - 1 となります。
 実は循環節の長さはオイラー数φ(n) の約数になっているのです。表を見て確認してみましょう。なぜ成立するのかは少し難しくなります。興味を持った人は調べてみましょう。

<参考資料>