複素数列の作る点列

 複素数 z=x+yi (x ,y は実数)は,xy 平面上のの点 (x,y) に対応させることができます。この平面をガウス平面といいます.
 複素数列 {zn} を zn=xn+yni(xn,yn は実数)と定めると,zn は xy 平面上の点 Pn(xn,yn) によって,点列 {Pn} を作ることになります.
 ここで,zn を次のように定めてみましょう.
   n+1=zn2+zc  (zc は複素定数)
 初期値を z0=x0+y0i, 複素定数を zc=xc+yci とすると
   z1=(x0+y0i)2+(xc+yci)=(x02−y02+xc)+(2x00i+yc)i
   z2=(x1+y1i)2+(xc+yci)=(x12−y12+xc)+(2x11i+yc)i
        ・・・・・・・・・
となり,漸化式に n=1 から順に数値を代入していけば帰納的にすべてのnについて zn が定まり,それに対応して平面上に点列が対応することになります.次の値は
   x0=0.1,y0=0.04,xc=−1.76,yc=0
として500項までコンピュータで計算した結果です.
 n            xn                      yn
 1            -1.7516                  .008 
 2             1.30803856             -.0280256 
 3            -4.98205598084864E-2    -.073317130934272 
 4            -1.7628933135088         7.30540101339505E-3 
        ・・・・・・・・・
 491           1.33560128916885       -1.64763040460176E-59 
 492           2.38308036294941E-2    -4.40115458491981E-59 
 493          -1.75943209279837       -2.09766101312543E-60 
 494           1.33560128916885        7.38138421260965E-60 
 495           2.38308036294941E-2     1.97171725404241E-59 
 496          -1.75943209279837        9.397521338794E-61 
 497           1.33560128916885       -3.30686012724633E-60 
 498           2.38308036294941E-2    -8.83329329810253E-60 
 499          -1.75943209279837       -4.21008955977615E-61 
 500           1.33560128916885        1.4814733370051E-60 
 上の計算で E-2 は×10-2 を表わしています.ですから E-60 はほとんど0に近い値と考えられますね.これよりzn
   (0,0), (−1.76,0), (1.34,0)
の3点にほぼ収束しているのがわかります.これを周期点の数が3である,といいます.第400項以降の点をグラフ上にプロットしたものが次の図です.(青の点が最初の点,赤の点が400項以降の点を表わします)

初期値と複素定数を変化させて,いくつかの点をプロットさせてみましょう.

(1)xc=-0.6,yc=0,x0=0.2,y0=0.5(2)xc=0.28,yc=0.5,x0=0.28,y0=0.5
(3)xc=-0.47,yc=0.57,x0=-0.47,y0=0.57(4)xc=-0.47,yc=0.54,x0=-0.47,y0=0.54

 複素数列 {zn} のつくる点列はnを無限大としたとき,次の4つに分かれることが知られています.

  1. 1点に収束する           
  2. 有限個の点の間を周期的に振動する  
  3. ある領域を不規則に動き回る
  4. 発散する              
 このうち3番目の状態を“カオス”といいます.このように初期値と複素定数を変化させると,点列の収束,発散などの状態が得られるのですが,収束するときのz0,zcの値やある振動数をとるz0,zcの値を探せと,いってもとってもたいへんですね.どうしたらその値を簡単に探すことができるでしょう.それは次のページをご覧ください.

《参考資料》