
札幌藻岩高校 中村 文則


【材 料】 本時で使用する素材
【下ごしらえ】
【調 理】
《基本編2》 〜2次関数のグラフをメイクる
<問題提起>
プロットするのはどんな点がいいだろうか? ワイワイガヤガヤ
⇒ 軸に関して線対称だから、軸の右側か左側のどちらかを描けばいい
⇒ 両座標軸との交点を求めたほうがいいから、原点のある側
⇒ 軸の原点側の点をプロットする
⇒ 反対側は、軸に関して対称点をプロットする
⇒ コンパスで点を写していこう

《応用編》 〜3次関数のグラフをメイクる
<問題提起>
プロットするのはどんな点がいいだろうか? ワイワイガヤガヤ
⇒ 変曲点に関して点対称だから、変曲点の右側か左側のどちらかを描けばいい
⇒ 両座標軸との交点を求めたほうがいいから、原点のある側
⇒ 変曲点の原点側の点をプロットする
⇒ 反対側は、変曲点に関して対称点をプロットする
⇒ コンパスで点を写していこう

まとめ……そして……提案
| 折れ線になっている | ⇒滑らかに結べんのか! |
| 軸に関して対称でない | ⇒バランスってもんがあるだろう! |
| 頂点が鋭利に尖っている | ⇒痛いだろ! |
| グラフが末広がりに外側に開いている | ⇒下に凸なら延ばしいていくと墜落するぞ! |
| グラフがぽつんとある | ⇒座標平面いっぱいに描け、ノートがもったいない! |
| グラフの大きさが分らない | ⇒頂点の座標がないと長さの尺度がわからんだろうが! |
一般形から標準形への変形はマニュアル的にできるのに、いざグラフを描かん!、という段で、軸や頂点の意味と意義を見失って、実に安易に点をプロットしてしまうのです。そのため、とんでもないグラフが出現してきます。頂点近くの点を適当にプロットして、 座標の値を計算し間違えても全然意に介せず、無理やりにでも線を結ぼうとする。非対称なグラフも彼らにとってはちょっとねじれただけでno problemなのです。
放物線を二次曲線とみれば焦点の性質から多少安定したグラフも期待できそうですが、あくまで二次関数にこだわって描こうとすると、その性質が希薄になってしまいます。「すべてのグラフは相似である」といった性質はもちろん鋭利な放物線を排除はしてくれますが、グラフを描く上では、もっとも譲れない性質は、軸に対して線対称であるということでしょう。だからこそ、
コンパスを使い(対称)軸の片面を、点をプロットして描くと、もう片方も簡単に描かれてしまいます。コンパスを用意できれば一番いいのですが、持っていなくても、「対称点にプロットする」という意識さえあれば、スムーズに鉛筆は動いてくれるでしょう。ほんのちょっとした意識のもちかたでこちらの不満は払拭されるのです。
だから、私はいつもささやかな抵抗をします。例えば y=x3-3x2+2 のグラフなら、3次の項の係数からグラフの概形を予測させます。